Tax Savings

節税事例集

税金失敗事例

事例

A社とB社はともに設立1期目で両者とも600万円の役員報酬を支払っています。A社は毎月同額で50万円の役員報酬を支払いましがた、B社は不定期に役員報酬を支払い、毎月同額では支給しませんでした。この結果、両社の税額にどのような違いが出たでしょうか?

結果


A社B社
売上1500万円1500万円
役員報酬600万円600万円
その他経費400万円400万円
利益500万円500万円
所得500万円1100万円
法人税90万円234万円
住民税23万円47万円
事業税27万円77万円
税金合計140万円358万円

事業年度の途中で役員報の金額を変更したB社は218万円も多くの税金を支払うことになってしまいました。

解説


役員とは、社長(代表取締役)、取締役、監査役などを指し、この役員へ支払う給与のことを役員報酬といいます。

会社を設立すると、社長さんを含めた役員の方へ役員報酬を支払うことになります。この役員報酬は、原則として毎月同額を支払う必要があります。役員報酬の金額を変更してしまうと、役員報酬として支払った金額の全てが会社の費用として認められずに、会社の税金が増えてしまうことになります。

また、役員報酬の金額は事業年度開始後3ヶ月以内に決めて、その後は原則として変更できません。従って、新設会社は会社設立後3ヶ月以内に会社がどの程度儲かりそうか予算を立てて、その上で役員の給与の金額を決めることになります。

東京23区の場合


種類 税率及び税額 
法人税 年間課税所得のうち、
800万円以下の部分・・・15.0%
800万円超の部分・・・・25.5%
地方法人特別税 法人税額に対して・・・・10.0%
法人住民税 法人税割(※1)法人税額に対して・・・・17.3%
均等割(※2)7万円
法人事業税及び
地方法人特別税
年間課税所得のうち、
400万円以下の部分・・・・・・・・5.0%
400万円超800万円以下の部分・・・7.3%
800万円超・・・・・・・・・・・・9.6%
償却資産税(※3) 償却資産価格に対して・・・1.4%

(※1)資本金1億円以下で、かつ、法人税額が1,000万円以下の場合。それ以外は20.7%
(※2)資本金1,000万円以下、従業員数50人以下、23区内の1区にのみ事業所がある場合。会社が存在することに対してかかる税金であり、赤字であろうと、毎年必ず発生すします。
(※3)土地・建物・自動車を除く有形固定資産に対してかかります。償却資産の帳簿価額が150万円未満の場合は免除されます。

夫婦で役員の場合の役員報酬の配分

事例

新規に設立されたC社は鈴木さん夫妻が役員として経営しています。鈴木さん夫妻は二人の役員報酬を合計で1,000万円と決めているのですが、どのように配分したら夫婦の所得税・住民税が安くなるのかを考えています。どのような配分にしたらよいでしょうか?

結果


パターンA パターンB
役員報酬 500万円 500万円 700万円 300万円
給与所得控除 154万円 154万円 190万円 108万円
健康保険(※1) 25万円 25万円 35万円 15万円
厚生年金保険(※2) 42万円 42万円 59万円 25万円
基礎控除 38万円 38万円 38万円 38万円
所得合計 241万円 241万円 378万円 114万円
所得税 14万円 14万円 33万円 6万円
住民税 24万円 24万円 38万円 12万円
パターン別税金合計 76万円 89万円

(※1)役員報酬の4.99%として計算。(自己負担額のみ)
(※2)役員報酬の8.383%として計算。(自己負担額のみ)


夫婦500万円ずつのパターンAと夫700万円・妻300万円のパターンBで試算してみた結果、パターンAの方が13万円安くなりました。

解説


新しく会社を設立される方の中には夫婦で会社を設立される方もいらっしゃると思います。 この場合、二人の役員報酬の配分を変えることによって所得税・住民税の合計が異なってくるのです。 これは、所得税が超過累進課税方式を採用しているため、所得が増加すると適用される所得税率も高くなるためです。 従って、夫婦の役員報酬を同額にする方が、税金のことだけを考えるとお得になることが多いです。

青色申告①-欠損金の繰越と繰戻

事例

D社とE社は設立2期目が終了し、法人税の確定申告を行おうとしています。設立1期目は開業に多額の経費がかかり、赤字となりましたが、2期目は営業が好調に推移し、黒字を確保できました。D社は設立直後に『青色申告承認申請書』を提出しましたが、E社は設立3か月を経過した後に提出しました。この結果、両社の税額にどのような違いが出たでしょうか?

結果


事業年度 D社 E社
1期目 利益 △1,000万円 △1,000万円
法人税
住民税 7万円 7万円
事業税
税金合計 7万円 7万円
2期目 利益 1,200万円 1,200万円
繰越欠損控除 △1,000万円
所得金額 200万円 1,200万円
法人税 36万円 264万円
住民税 13万円 53万円
事業税 11万円 89万円
税金合計 60万円 406万円

『青色申告承認申請書』の提出が遅れたE社はD社よりも346万円も多くの税金を支払うことになってしまいました。

解説-青色申告について


青色申告という言葉は皆さんよくお聞きになると思いますが、これは、一定の帳簿を設けて正確に記帳している納税者には、欠損金(赤字)の翌事業年度以降への繰越しや、多額の設備投資を行った場合の税額控除(税金の減額)、30万円未満の固定資産の費用処理等の様々な特典が認められるという制度です。

社長として会社を経営していくためには、そもそもドンブリ勘定でいいわけはなく、青色申告でなくてもキチンと帳簿をつけることは当然のことと言えます。

税務上も数々の特典があるので、必ず会社設立後3か月経過する前に『青色申告承認申請書』を提出しましょう。


解説-欠損金の繰越と繰戻について


青色申告法人は欠損金(法人税計算上の赤字)を9年間繰越すことができます。従って、1期目が赤字で2期目以降が黒字の場合は、1期目の赤字と2期目以降の黒字を相殺でき、2期目以降の税金が安くすみます。

また、設立5年以内の中小企業(大会社の子会社等を除く、資本金1億円以下)の場合は、赤字が出た場合、過去5年以内の事業年度の黒字と相殺し、既に納めた税金の還付を受けることができます。

D社は1期目より青色申告法人となったため、2期目の赤字と1期目の黒字を相殺できたことから、2期目の税金が安くなったのですね。

青色申告②-税額控除と特別償却

事例

F社とG社はともに設立1期目のインターネットベンチャー企業であり、F社は独自に開発したサーバー用オペレーティングシステムに1,000万円を投資し、G社は1,000万円のデータベース管理ソフトウェアを購入しました。両社とも販売が好調で1期目から黒字が出ているのですが、F社は設立直後に『青色申告承認申請書』を提出しましたが、G社は設立3か月を経過した後に提出しました。この結果、両社の税額にどのような違いが出たでしょうか?

結果


F社 G社
利益 2,000万円 2,000万円
税額控除前法人税 536万円 536万円
税額控除 70万円
法人税額 434万円 504万円
住民税額 82万円 100万円
事業税額 165万円 164万円
税金合計 681万円 763万円

青色申告承認申請書』の提出が遅れたG社はF社よりも84万円も多くの税金を支払うことになってしまいました。

解説-青色申告について


青色申告法人は、以下のような場合に該当する場合は、支払った金額の数%から十数%の税額が控除される、または、固定資産取得価額の30%前後を一括して費用処理できるなどの特典があります。

  • 製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する費用を計上した場合
  • 新品で1台当り280万円以上の機械装置、120万円以上の器具備品を取得した場合
  • 新品で1台当り160万円以上の機械装置、120万円以上の器具及び備品、70万円以上のソフトウェアを取得した場合(資本金3,000万円以下の法人の場合)
  • 基本システム、データベース管理ソフト、ファイアウォールソフト等の取得価額の合計額が70万円以上の場合
  • 従業員等の教育訓練のために外部に支払う費用が労務費の0.15%以上の場合。

ただし、これらの規定には細かい要件があったり、毎年要件が変わったりします。該当する可能性がありましたら、税理士又は税務署に問い合わせてみるといいですね。

F社はサーバー用オペレーティングシステムに1,000万円投資したため、投資額の7%の70万円を法人税額から控除することができました。

青色申告③-30万円未満の固定資産

事例

H社とJ社は設立1期目の会社で、1台25万円のパソコンをそれぞれ12台ずつ購入しました。H社は設立直後に『青色申告承認申請書』を提出しましたが、J社は設立3か月を経過した後に提出しました。この結果、両社の税額にどのような違いが出たでしょうか?

結果


H社 J社
パソコン償却費計算前利益 2,000万円 2,000万円
パソコン償却費 300万円 75万円
所得 1,700万円 1,925万円
法人税額 446万円 482万円
住民税額 79万円 90万円
事業税額 137万円 158万円
税金合計 630万円 730万円

『青色申告承認申請書』の提出が遅れたJ社はH社よりも100万円も多くの税金を支払うことになってしまいました。

解説-青色申告について


青色申告法人の特典第3弾です。通常は10万円未満の固定資産(一般的に1年以上の長期にわたって使用される資産)は取得した事業年度に費用計上することができ、10万円以上のものは数年間にわたって費用計上することになります。

しかし、青色申告の中小企業は10万円以上30万円未満の固定資産も取得した事業年度に費用計上することができます。当然、利益が減って、税金が安くなります。 これで、設立直後にPC等の備品をそろえた場合も全額費用計上できますね。ただし、1事業年度300万円という上限がありますので、ご注意ください。

源泉徴収納付もれ

事例

M社は1月1日に設立された会社であり、1月より毎月役員及び従業員に給与を支払っています。しかし、会社を設立したばかりで忙しかったため、源泉所得税を納付するのを忘れており、1月から3月まで支払った分を4月11日にまとめて支払いました。

結果


その後、所管の税務署から納付が遅れた源泉税の5%の不納付加算税と年率14.6%の延滞税を納付するように指示が来たのです。


解説


ご存じの方も多いと思いますが、源泉徴収は会社が支払いを行う時に一定額を所得税の仮払いとして天引きして預かり、税務署に納付する制度です。 会社から個人へ支払を行う場合の多くが源泉徴収の対象となります。社長を含めた役員給与はもちろん、従業員への給与、アルバイトへの給与、税理士等への報酬、その他個人へ報酬・料金等を支払う場合は源泉徴収の対象となります。
源泉所得税の納付期限は翌月10日です。ただし、従業員が10人未満の場合は『源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書』を提出することにより、7月10日と1月10日にまとめて支払えばよくなります。
源泉徴収を忘れてしまうと、税額の5%(場合により10%)の不納付加算税及び年率14.6%の延滞税がかかりますので、ご注意ください。

消費税課税事業者と免税事業者

事例

N社とO社は資本金300万円で設立された1期目の会社です。設立1期目ということで開業経費や設備投資が多額となりました。N社は開業事業年度中に『消費税課税事業者選択届出書』を提出しましたが、O社は提出しませんでした。この結果、両社の税額にどのような違いが出たでしょうか?

結果


N社 O社
売上 105万円 105万円
経費 315万円 315万円
設備投資 525万円 525万円
消費税還付額 35万円 -

『消費税課税事業者選択届出書』を提出しなかったO社は、35万円の消費税の還付を受けることができませんでした。

解説


まずは、消費税の課税事業者・免税事業者について説明します。
消費税は、売上に上乗せしてお客様から預かり、仕入等で支払った消費税を差し引いて納税します。消費税を納める義務がある事業者を「課税事業者」といい、免除されている事業者を「免税事業者」と言います。

課税事業者は、預かった消費税より仕入や設備投資で支払った消費税が多い場合は、その差額の還付を受けることができるのです。

設立1期目・2期目は開始日の資本金が1,000万円未満であれば、免税事業者となります。3期目以降は、その2期前の課税売上高が1,000万円以下であれば免税事業者となります。


課税事業者・免税事業者判定フロー


売上から預かった消費税額 5万円= 105万円/1.05×5%
控除対象消費税 40万円= 315万円/1.05×5%+525万円/1.05×5%
還付される消費税額 35万円= 40万円-5万円

ただし、ここで注意しなくてはいけないのが、一旦『消費税課税事業者選択届出書』を提出すると、最低2年間は消費税課税事業者となってしまうことです。

本来であれば、消費税を免除されていた2期目も消費税を課税されることから、1期目と2期目をトータルで考えて、消費税の課税事業者となった方が得か損かを考えなくてはなりません。

源泉徴収納付もれ

事例

M社は1月1日に設立された会社であり、1月より毎月役員及び従業員に給与を支払っています。しかし、会社を設立したばかりで忙しかったため、源泉所得税を納付するのを忘れており、1月から3月まで支払った分を4月11日にまとめて支払いました。

結果


その後、所管の税務署から納付が遅れた源泉税の5%の不納付加算税と年率14.6%の延滞税を納付するように指示が来たのです。


解説


ご存じの方も多いと思いますが、源泉徴収は会社が支払いを行う時に一定額を所得税の仮払いとして天引きして預かり、税務署に納付する制度です。 会社から個人へ支払を行う場合の多くが源泉徴収の対象となります。社長を含めた役員給与はもちろん、従業員への給与、アルバイトへの給与、税理士等への報酬、その他個人へ報酬・料金等を支払う場合は源泉徴収の対象となります。
源泉所得税の納付期限は翌月10日です。ただし、従業員が10人未満の場合は『源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書』を提出することにより、7月10日と1月10日にまとめて支払えばよくなります。
源泉徴収を忘れてしまうと、税額の5%(場合により10%)の不納付加算税及び年率14.6%の延滞税がかかりますので、ご注意ください。


消費税原則課税と簡易課税

事例

P社とQ社は資本金1,000万円で設立された1期目の会社であり、飲食業を営んでいます。P社は『消費税簡易課税制度選択届出書』を開業事業年度中に提出しましたが、Q社は提出しませんでした。この結果、両社の消費税にどのような違いが出たでしょうか?

結果


P社 Q社
売上 3,150万円 3,150万円
仕入 525万円 525万円
設備投資 315万円 315万円
消費税納税額 60万円 110万円

『消費税簡易課税制度選択届出書』を提出しなかったQ社は50万円余計に消費税を納めることになってしまいました。

解説


課税事業者であっても、差し引く消費税の計算方法により、原則課税と簡易課税というものがあります。 原則課税というのは、お客様から預かった消費税から差引く消費税額を計算する時に、実際に仕入等で支払った消費税額を使用する方法です。 簡易課税というのは、実際に支払った金額ではなく、預かった消費税に対して一定率(みなし仕入率)を掛けて計算する方法です。原則課税よりも簡易課税で計算した方が控除対象消費税が大きくなる場合は、簡易課税を採用した方が得になります。

このみなし仕入率は、業種ごとに定められており、以下の表のようになっています。

みなし仕入率表


業種 みなし仕入率
第1種事業(卸売業) 90%
第2種事業(小売業) 80%
第3種事業(製造業) 70%
第4種事業(飲食業・その他の事業) 60%
第5種事業(サービス業) 50%

P社の消費税額の計算

売上から預かった消費税額 150万円= 3,150万円/1.05×5%
控除対象消費税 90万円= 150万円×60% (※)
納付すべき消費税額 60万円= 150万円-90万円

(※)飲食業のため、60%となります。

Q社の消費税額の計算

売上から預かった消費税額 150万円= 3,150万円/1.05×5%
控除対象消費税 40万円= 525万円×1.05×5%+
315万円×1.05×5%
納付すべき消費税額 110万円= 150万円-40万円

5,000円以下の飲食費

まず前提として、会社を設立すると交際費が会社の経費に計上できます。しかし、交際費のうち資本金1億円以下の会社については年間600万円までの金額の10%は税務上の経費として認められません。また、年間600万円を超える部分についてはすべて税務上の経費には認められません。 これが原則となるのですが、5,000円以下の飲食費については交際費とならずに全額会社の経費とすることができるのです。 ただし、注意しなくてはいけないのが、

  • 社外の人を相手方とすること(社内飲食は認められません。)
  • 飲食費等であること(贈答やゴルフ接待はダメです)
  • 一人当たりの金額が5,000円以下,000万円以下の法人の場合)
  • 次の事項を証明する書類の保管(領収書への記載でも可能。)
  • 飲食等のあった年月日
  • 飲食等に参加した得意先・仕入先等外部の者の氏名・名称、その関係
  • 飲食等に参加した者の人数
  • 支出金額、飲食先の名称及び所在地
  • その他参考事項

小規模企業共済制度

生活の安定、あるいは事業の再建などのために資金をあらかじめ準備しておく共済制度で、中小企業の役員が退職した場合に共済金を受け取ったり、事業資金の融資を受け取ることも出来ます。 掛け金を金額個人の所得から差し引くことができるので、経営者の給与が高く、所得税が多額になる場合などに加入すると節税効果が高いでしょう。